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140字以上になることを書きます

お気に入りの曲2023

1. Temple / Elle Teresa
2. 在日ブルース / Candee
3. FEEL OR BEEF BADPOP IS DEAD / 舐達麻
4. MJ Freestyle / Watson
5. Blue Night 045 / Boomerang Brothers
6. Shibuki Boy / Lunv Loyal
7. Tenchi feat. 志人 / OMSB
8. 永遠少女 / ZAZEN BOYS
9. FREE MY BROTHER Remix feat. Akira Jun, Vega KfK, 雅, Yatt & JETG / 999dobby 
10. Players' Player feat. KREVA / OZROSAURUS

Temple / Elle Teresa

好きすぎる。聴く者をエンパワメントするAwichとは明らかに違うけど、Elle Teresaの等身大のフェミニズムも元気が出るので聴いてみてほしい。気怠さがたまらない。「触れないまるで寺、寺/しない男の世話、世話/お札ばら撒くペラ〜ペラ〜/一年後出たいCoachella」よりイケてる歌詞があるか? アルバムも最高でした。

 

在日ブルース / Candee

ヒップホップはその成り立ちからし私小説に近づくことも珍しくないけれど、2ヴァース目の歌詞には圧倒された。こんな人生があるのか。ここで歌詞が見られます。

 

FEEL OR BEEF BADPOP IS DEAD / 舐達麻

「お前の曲はパクリで/俺のはレクイエム」という歌い出しの素晴らしさ! 1、冒頭で主張が端的に述べられていてよい。2、「パクリで」と「レクイエム」の押韻がよい。発音が近似するのに意味合いが対比されるのは優れた押韻。3、そもそも「俺の曲はレクイエム」と表現できてしまうのがよい。BAD HOPに対するDis曲だからレクイエムだと受け取る人たちがいて驚いたけれど、単純に舐達麻は死んだ仲間のことをよく歌うからです。

 

MJ Freestyle / Watson

マイケルのBillie Jeanサンプリング。大ネタ使いだ〜と喜んでいたらクリアランスしてなかったようで配信から消えてしまった。この曲のWatsonはリズムキープが異様にすごいと思う。それにしてもこの一年でWatson的な「外し方」を真似するフォロワーが次々と出てきて、本当にゲームチェンジャーになってしまった。これからもまだまだ聴き続けたい。

 

Blue Night 045 / Boomerang Brothers

横浜の兄弟ラッパー。「止まる時間ねえ無限じゃねんだ命は」「うーん、確かに」の掛け合い部分が妙に好きでよく聴いた。

 

Shibuki Boy / Lunv Loyal

ヒップホップに限った話ではないけれど、昔から「地元」という概念がすごく好きなんですよね。港囃子にのせて、秋田弁で地元のことを歌う。「どこに行っても生まれ忘れない」。楽曲上で地元をレップすることの究極系だと思った。

 

Tenchi feat. 志人 / OMSB

京都で木こりや猟師をやっていると、「狂犬病持ちの野犬」になりきってラップすることも可能になるのだ。

 

永遠少女 / ZAZEN BOYS

昔好きだったナンバーガールくるりスーパーカーは今もそれぞれに活躍を続けていて嬉しいけれど、なぜか関心が絶えないのは向井秀徳なんですよね。

 

FREE MY BROTHER Remix feat. Akira Jun, Vega KfK, 雅, Yatt & JETG / 999dobby

2024年は999dobbyが飛躍すると思う。函館のラッパーでまだ16歳か17歳だと思うけど、ラップが上手いしハッとさせられる歌詞も多い。活発な業界は次から次へと才能が出てくるからいいよね〜。

 

Players' Player feat. KREVA / OZROSAURUS

ラーメンハゲの名言に「ヤツらはラーメンを食ってるんじゃない。情報を食ってるんだ」というものがあるけれど、日本語ラップを追い続けていると、曲ではなく文脈を摂取して満足してしまう時がある。それがこれです。ところでKREVAこの曲のラップが変態的で、あらためてすごいなと思いました。

 

楽曲タイトルのリンクはYouTubeです。以下はspotifyのプレイリスト。また来年!

 

お気に入りの曲2022

1. Hood Star / Watson
2. Somewhere Near Marseilles / 宇多田ヒカル
3. 東京 / 霊臨
4. 大衆 / OMSB
5. BLUE IN BEATS / 舐達麻
6. RAGA feat. 鎮座DOPENESS / Campanella
7. Skippin' Rock feat. Benjazzy / BIM
8. ASOBI feat. Candee & Playsson / YUTO & DopeOnigiri
9. Queendom / Awich
10. FLOOR IS MINE feat. BIM / Skaai

Hood Star / Watson

徳島のラッパー。とにかく押韻が気持ちいいし、次の作品ではどんな表現を聴かせてくれるんだろうと毎回新曲を楽しみにしている。「高速バスから飛行機/でもエコノミー」とか「油は使わん野菜でするフライ/ステーキ焼き餅あまり焼かない/痛めてるハート鶏肉のじゃない」(Michelin Chef)とか、ユーモアセンスがずば抜けてる。8月に観たライブもよかったです。

 

Somewhere Near Marseilles / 宇多田ヒカル

最初にアルバムを聴いた時から一番お気に入りの曲。宇多田のアルバムは『First Love』が最高で(世代ドンピシャだし)、個人的には『Fantôme』が大傑作だと思っているけれど、今回の作品もマジでよかったですね。楽曲でいうと「BADモード」と「気分じゃないの」が素晴らしいです(単にFloating Pointsとの共作が好みなのかも)。それにしても、絶えず表現を更新しようとする宇多田ヒカルの姿勢には尊敬の念しかない。

 

東京 / 霊臨

高円寺のラッパー。間違いなく上半期で一番聴いた曲。当時「太平記」に関する本を作っていて「登場人物が多すぎるし、イカれたやつばっかじゃねーか!」とげんなりしていたが、この曲を聴くと不思議とパワーが湧いてきた。残念ながらトラックメイカーと揉めたらしく今は聴けない……と思っていたんだけど、YouTubeのMVが生きているじゃん!(検索しても引っかからないので、URLを知っている人だけの限定公開っぽい)。その後に出した曲だと「アフロタトゥー社畜」も好き。

 

大衆 / OMSB

いや、天才としか言いようがないじゃん。トラックが素晴らしいし、自叙的なリリックがいい塩梅で一般向けの表現に落とし込まれている印象。「友達/単純にクエスチョン/なんで黒いの?/シンプルな1小節/今もよく覚えてる/根に持っちゃないよ/覚えてるだけ」「愛しのLadyから/愛しのBabyが産声をあげた/さあお前も今日から大衆だ」。 A. K. I. PRODUCTIONSからの引用も含めて最高。

 

BLUE IN BEATS / 舐達麻

久しぶりの新曲。待ち望んでいたはずだけど、そこまでリピートせず。自分はやっぱりGREEN ASSASSIN DOLLARのトラックが好きなんだよなあ。BUDS MONTAGEはマジモンの傑作でしたね。ところでこの曲はG-PLANTSがすこぶるいい。「知恵絞り/意味を掘り/音に文字でなる一人」とか「依存性あり/だから何/書き捨てた恥」とか。「書き捨てた」が意図的な変換ならイケすぎ!

 

RAGA feat. 鎮座DOPENESS / Campanella

いやいやラップうますぎだっつーの! このトラックにラップを乗せるのめちゃくちゃ難しいと思うんだけど、全然違和感ないしカッコいい。

 

Skippin' Rock feat. Benjazzy / BIM

それでも今年もBenjazzyより上手いラッパーは現れませんでしたね!

 

ASOBI feat. Candee & Playsson / YUTO & DopeOnigiri

とはいえCandeeも相当上手い。Playssonのように声が低いラッパーと組ませたらピカイチ。楽曲としては発表されてないけど、YouTubeのこの曲なんかリリックの技巧も効いていて最高。

 

Queendom / Awich

留学先で結婚したアメリカ国籍の夫が銃撃されて亡くなったという過酷な半生が、よく練られた構成でラップされる。OMSBの「大衆」と比較したくなるけど、自分はどちらも好きです。

 

FLOOR IS MINE feat. BIM / Skaai

福岡のラッパー。九大の修士課程にいたはずだけど、研究者の道は諦めてしまったらしい。めっちゃオシャじゃん?

 

楽曲タイトルのリンクはYouTubeです。以下はspotifyのプレイリスト。来年こそ手持ちのLogicを使って作曲を(以下略)

 

お気に入りの曲2021

1. High Wall / guca owl
2. Cyberpunk feat. Benjazzy / JJJ
3. LALALA / Deap Leaf
4. GILA GILA feat. JP THE WAVY & YZERR / Awich
5. nirvana / dodo & Tofubeats
6. Stay Humble / SPARTA
7. DESIRE / CYBER RUI
8. Presence III feat. NENE & 角田晃広 / STUTS & 松たか子 with 3exes
9. ODDTAXI / スカートとPUNPEE
10. DAWG LIFE FREE STYLE / Sound’s Deli
番外. Smoking Room / OGF

 

High Wall / guca owl
花園のラッパー。渋い声のメロディアスなラップが耳に馴染むし、内省的な主題が自分の見つけてきた言葉で表現されるのがいい。表情やジェスチャーを含めたパフォーマンスが良すぎる。ルックスも最高です。

 

Cyberpunk feat. Benjazzy / JJJ
ともに川崎のラッパーだけど、まさかこの2人で曲を出すとは思わなかった。Benjazzyのリリックは気が利いていて大好きだけど、この曲も「5Gよりも速く回る噂に耳傾けずに目で見た物だけ追ってく」とか「俺らすでに世間との隔離を楽しんでる」のあたり、2021年らしさを踏まえつつ自身の立場を歌っていてうまいなーって思う。

 

LALALA / Deep Leaf
福岡の8人組クルー。2020年代になってから、もはやYoutuberとヤンキーの境界線など存在しない。映像込みのバズりを前提にしつつも、曲自体に中毒性があってリピートしてしまう。推しは狂気の緑です。

 

GILA GILA feat. JP THE WAVY & YZERR / Awich
もう「正解」を見つけている人たち。YZERRの「まるでピカチュウピカピカすぎ」とか、ダサくて笑えるフレーズをあえて入れ込むのもテクニックなんでしょう? たしかにその落差がいいんだよなあ。Awich姐さんもかっこいい。それにしても円卓が狭すぎる。

 

nirvana / dodo & tofubeats
川崎のdodoと神戸のtofubeatsのコラボ曲。普通にいい曲。今年は母親を亡くしたこともあり、いろいろリリックに思うところありますね。「トーフビーツは誰かより長生き誰かより早く死ぬ」はゴモットモ・オブ・ザ・イヤーです(その後のバースがものすごくいい)。

 

Stay Humble / SPARTA
熊本出身のラッパー。RASENでのパフォーマンス(音源ではないけれど一番聴いたかも)が素晴らしすぎてアルバムを聴いたんだけど、ボースティングを一切排除した等身大のリリックが今っぽいのかな。ともあれRASENの音源リリースを熱烈希望。

 

DESIRE / CYBER RUI
大阪のラッパー。ABEMAの「ラップスタア誕生」で知ったけど、10代でこの完成度かよと驚いた。ラップスタアには、NOV、Skaai、EASTAを教えてもらって感謝。修士課程在学中のSkaaiの今後に注目しています。

 

Presence III feat. NENE & 角田晃広 / STUTS & 松たか子 with 3exes
ドラマは未見。NENEの良さがすごく出ているし、オートチューンをバキバキに効かせた角田ラップも好き。他のラッパー・俳優の組み合わせより、頭一つ抜けていた感じがする。

 

ODDTAXI / スカートとPUNPEE
アニメは未見。当たり前すぎるのかあまり言われないけど、PUNPEEのラップってめちゃくちゃうまいよね。

 

DAWG LIFE FREE STYLE / Sound’s Deli
東京の5人組クルー。見た目のやんちゃ具合とか音のオシャレ具合がちょうどよくて(失礼)、メディアでも重宝されて売れていきそう。

 

Smoking Room / OGF
川崎の3人組クルー。2020年に発表されたアルバムに入ってる2019年の曲だなので番外扱いにしたけど、今年になって知ってめちゃくちゃハマった。Candeeはフック作りがうますぎるのでは? そこに絡むDeechが独特な声の持ち主で、相性がすこぶるいいんだよなあ。最近はOGFばっか聴いてるんだけど、どうやら解散してしまったようなのでかなしい。Deechのソロとか、ちょっと違う気がする。

 

楽曲タイトルのリンクはYouTubeです。以下はspotifyのプレイリスト。今年は夏ごろにLogicを入手してちまちまと遊んでいたんだけど、しばらく放置ぎみだったので来年中にはどうにか1曲完成させたいです、ハイ。

 

お気に入りの曲2020

1. BUDS MONTAGE - 舐達麻
2. HOME / CHON - Moment Joon
3. Wonder Wall - PUNPEE feat. 5lack
4. 洗脳 - Awich feat. DOGMA & 鎮座DOPENESS
5. Selfish - Ralph
6. Cats & Dogs / KID FRESINO feat. カネコアヤノ
7. Zoom - zoomgals(valknee, 田島ハルコ, なみちえ, ASOBOiSM, Marukido, あっこゴリラ)
8. DEADSTAR - Fuji Taito
9. Time - 宇多田ヒカル
10. Liar Liar / Lunv Loyal


新型コロナウイルスに振り回された1年でした。最後にライブに行ったのは2月のYoung Pro(Ralphがすごいよかった)で、以降は立て続けにキャンセルになった。それにしても、Moment Joonのアルバム『Passport & Garcon』は本当にすごい作品だと思う。

 

 

お気に入りの曲2019

 

1. Floatin' / 舐達麻
2. Training Days / THA BLUE HERB
3. I love you son feat. PRIMAL & 秋田犬どぶ六 / MEGA-G
4. Let It Be feat. Kid Fresino / Daichi Yamamoto
5. reiji no machi feat. イノウエワラビ / パソコン音楽クラブ
6. LINDY / 中村佳穂
7. Turning Up / 嵐
8. PUMA feat. lj / Shurkn Pap
9. Player 1 / Tiji Jojo
10. Higher / Mall Boyz

 

Floatin' / 舐達麻
なんといっても、Nujabesサンプリングのビートで「バール買いに行かせた今藤 仕事バックれた高橋 借りに行かせた武富士」と歌い始める時点で優勝です。

 

Training Days / THA BLUE HERB
この曲を書いたことで、ようやくライムスターとの因縁を精算させた感じ。mummy-dのリリック引用を最初に聴いたときは相当アガった。

 

I love you son feat. PRIMAL & 秋田犬どぶ六 / MEGA-G
アルバムが最高でした。流行の音じゃなくて、自分の信じたヒップホップをやることのカッコよさよ…!

 

Let It Be feat. Kid Fresino / Daichi Yamamoto
ただひたすらにかっこいい(しかしリリックは聞き取れない)。客演したときのフレシノは、自分も相手も引き立たせるからスゴいと思う。

 

reiji no machi feat. イノウエワラビ / パソコン音楽クラブ
すごく懐かしい感じがたまらない。都会的なのに郊外の匂いがするし、クールなのにちょっとダサい。

 

LINDY / 中村佳穂
早く2枚目のアルバム出してほしい。いまナンバーガールに次いでライブに行きたいアーティスト。発表は去年だけど「そのいのち」は本当にすごい曲だよ。

 

Turning Up / 嵐
「Hey! Everybody! おまーたせ」とラップを始めるところが好きすぎる。おまーたせ。本職のラッパーも真似してほしい。

 

PUMA feat. lj / Shurkn Pap
こういうトラックにラップを乗せる曲は聴いたことがなかった。アルバムには完全にエグザイルにしか聴こえない曲もあり、幅の広さを感じた。

 

Player 1 / Tiji Jojo
本当にラップがうまいし耳に馴染む。BAD HOPは早くBenjazzyのソロLPを出してください。

 

Higher / Mall Boyz
「俺は子供の頃からずっと天才でいる」と嫌味なく歌えるのはすごい。今年はTohjiの人気がヤバいことになっているのをひしひしと感じた。厳密には2018年の曲なのか?

 

楽曲タイトルのリンクはYouTubeです。以下のspotifyプレイリストは、登録のない(2)以外の曲をまとめたもの。今年は暇さえあれば舐達麻を聴いていたので、来年はいろいろ聴いていきたいと思っています。